タウンニュース
文化が育む平和の心
戦後81年、私たちは平和をどのように受け継いでいくのかが問われています。
先日、横浜美術館で開催中の「マリー・アントワネット・スタイル」展を訪れました。ロンドン発の世界巡回展で、日本では横浜だけの開催です。首飾り事件ゆかりの15カラットのダイヤモンドや、美しい調度品の数々に目を奪われ、フランスへプチ旅行しているようでした。
中でも、最も心に残ったのは、展示で紹介された一つの逸話です。処刑台へ向かう際、誤って執行人の足を踏んでしまったマリー・アントワネットは「ごめんなさいね。わざとではないのですよ」と詫びたと伝えられています。歴史上の評価には様々な見方がありますが、死を直前にしても相手を思いやる心を失わない人間性の尊さに、胸が締め付けられました。
平和は、特別な誰かが築くものでも、特別な日だけに願うものでもありません。日々の暮らしの中で相手を思いやる心を育み、その心を次の世代へ受け継いでいくこと。その積み重ねが、争いのない未来への一歩になると信じています。
文化や芸術は、美しいものに触れる喜びだけでなく、人の心を豊かにし、人間性を育み、他者を理解する感性を育んでくれます。だからこそ、子どもたちにも本物の文化に触れてほしいと心から願います。
世界が注目するこの貴重な展覧会が、一人でも多くの方にとって、人を思いやる心、そして平和について静かに考えるきっかけとなることを願っています。